30代中年おじさんのナンパのススメ

ナンパして、人生をバラ色に変えちゃおう

第22回、足立花火大会2016ー10

「あぁ、ちょっとおばさんかな。」

「俺らとそんな変わらないんじゃないですか?俺らもおじさんだし。」



「そっか、じゃあどっち行こう?」


「どっちでもいいですよ。」


「なかなか決めらんないなぁ。両方行くのはむりだよね?」
アラシはしぶっているのか中々声をかけようとはしない。


「さっきも言ったじゃないですか。どっちか1つですよ。近いから」


そんな話しをしていると、川下の2人組がレジャーシートをたたみ、帰ろうと歩いて行った。


「アラシさん。残ってる方行きましょう。」



「そうだな。」


俺たちは、2人に近づいた。

第22回、足立花火大会2016ー9

もう残っている人もまばら。
ましてや女2人なんてほぼいない。



でかいブルーシートの手前に小さいレジャーシートを敷いた2人組。

そこから10mほど川下に行ったところにレジャーシートに座っている2人組。


「アラシさん、どっち行く?」


「どっちがいいかなぁ?」


「どっちでも良いですけど、場所的にかた方行ったらもうかた方は無理ですよ。ナンパしてるの丸見えだから」


「そうだよな。とりあえず近くまで行って、どんなのか確認してみようか」


俺とアラシは川上側のブルーシートの手前にいる2人組の目の前を通りすぎた。


「まぁまぁかな。一人はあんまり良くないけど…。」


「ですね。次見てみましょう。」

今度は川下の方の2人組の近くを通りすぎた。

第22回、足立花火大会2016ー8

「こんばんは、花火綺麗でしたね」
俺はさっそく話しかける。

「え、はぁ」
キレイめの恰好の女が答えた。

足元にはワインの空き瓶と、使い捨てのプラスチックのワイングラスが置いてあった。


「ワイン2人で1本空けたんですか?」


「えぇ、まぁ」
そう言いながら2人は立ち上がり帰ろうとしはじめた。

「強いんですね」


「もう帰るんで。」
そう言い残して2人は歩いていった。



俺とアラシはまたパトロールに戻った。

第22回、足立花火大会2016ー7

「アラシさん、あれは?」
俺は土手の傾斜にレジャーシートを敷いて話している少し元ヤンぽい30代と思われる2人組を指さした。




「あれかぁ。」 
アラシはあまり乗り気じゃない返事をした。



「イマイチですか。じゃあ、端っこまで行って、誰もいなかったらあの2人組に行きましょう。」  



「わかった。そうしよう。」
アラシは頷いた。


人もまばらになってきた。
そろそろ端であろう。



浴衣を着た女と、仕事帰りと思われるキレイめの上品な恰好の女が河川敷の段差に座っている。



「あれ行きましょう。」
俺は指さす。


「いいよ。行こう。」
アラシは二つ返事でOKした。

第22回、足立花火大会2016ー6

「あたしたちもう帰るんで、他にかわいい子いるんで、よそ行った方がいいですよ。」 紺の浴衣が言った。



「え?どこにいるの?そんな人」



「ほら、あそことか、あっちとか」
紺の浴衣は後ろを振り返り適当に指さした。



「いないよ。俺たち誰でも良いわけじゃないからね」
俺は笑いながらツッコんだ。


「いや、でも、もう帰るんで」
もう2人は片付けを終わらせた。



「じゃあ、今度飲みに行こう。連絡先だけでも教えて…。…ダメですね。はい、わかりました。」
一応ダメ元で連絡先を聞こうとしたが、あきらめた。



2人はそのまま人混みの方へ歩いていった。




「アラシさん。お婆ちゃんの浴衣のネタウケなかったですね。」
苦笑いで俺は言った



「そうだな。ちょっとムッとしてたな」



「あ、気付きましたか。去年はウケたんですけどね。
さぁ、次行きましょう。」



俺たちは気持ちを切り替えて、次のターゲットを探した。

第22回、足立花火大会2016ー5

さっきまでレジャーシートに座ってた2人が立ち上がり荷物を片付けはじめた。



「アラシさん、行かなきゃ帰っちゃいますよ。早く早く。」
そう言って俺はせかした。



「わかった!」
アラシは足早に浴衣の2人に向かった。



「こんばんは、花火綺麗でしたね。」



紺の浴衣と白の浴衣だ。
アラシが言ったように2人とも若い。20代前半って感じだろうか


「え、…はぁ、そうですね」
紺の浴衣の女が答えた。


「あ、その浴衣可愛いね。ウチの婆ちゃんが同じようなの着てたよ」
俺は去年アラシの言っていた上げて落とす作戦を白の浴衣にやってみた


「えー、お婆ちゃんって…。」
白の浴衣の女は少しムッとした様子で言葉を発した。

第22回、足立花火大会2016ー4

「あれはどうですか?」
俺は10m先を指さした。


レジャーシートに腰掛けて話しをしてる浴衣の2人組だ。

暗くて顔はハッキリ見えない。


「あれかぁ、若すぎない?」
アラシは言った。



「若くても良いじゃないですか、ダメで元々。若くても若くなくても、凄え不細工じゃなきゃ何でもいいじゃないですか。
分母を増やせばいいんですよ。
確かにイケそうな感じのに2回声かけて上手くいけば1/2。
手当たり次第に10回声かけて上手く行ったら1/10。効率が良いのは1/2だけど、1/10も1/2も1は1ですよ。」


俺は熱く語った。


「確かにそうだな」


「俺らはまだ選べる立場じゃないですよ。どんどん場数を踏まなきゃ」