第2回ー2
「このビルの3階です。できたばかりで看板が、間に合わなくてまだ無いんですよ」
オジサンはそう言って階段を登り始めた。
「店長ー!お客さーん。」
するとカーテンで仕切られた奥から、Tシャツにハーフパンツ、サンダル履きのラフな格好の40代半ばと思われる男が出てきた。
ボサボサで伸びた天パー にメガネをかけていて、うだつの上がらない風貌。
見るからに雇われ店長って感じの男
オジサンは店長に向かって
「一万円でお願いします」
と言って外へ出ていった。
「今は、まだみんな出勤してきてないんで、1人しか居ないんです。9時になったらあと2人来ますよ、カワイイ子」
と店長はいった。
「てことは今いる子は、かわいくないんですか?」
「そんなこと無いです。カワイイです。見てみますか?」
「じゃあ、お願いします」
「1人ずつどうぞ」
まずは、私がカーテンの向こうに進みました。
赤いドレスを着た30歳ぐらいの女性が立っていた。
「どーです?カワイイでしょう?」
正直、スタイルはいいんだけど顔はイマイチ。
ブスではないんだけどなぁ、カワイイかどうかで言うとそんなでもない。
しかし、それを本人を前に、そのまま言えるほど太い性格もしてないので、
「カワイイです」
と答えました。
そしてそのまま回れ右をして、カーテンをくぐり、アラシさんと交代。
しばらくすると、アラシさんも戻ってきました。
「どーですか?遊んでいきませんか?」
私達は
「いや、また今度来ます」と断った。
「あと20分待ってくれると他の子が出勤してきますので待ちませんか?」
と言う店長の言葉も私たちを引き留める効果は無かった。
2人で階段を降り、寂れた夜の街へ
少し徘徊するが、
いい感じの女の子がいない。