30代中年おじさんのナンパのススメ

ナンパして、人生をバラ色に変えちゃおう

第5回、花火大会の日-5

セブンイレブンの前に来ると彼女が笑顔で言った。
「あのースイマセン、わたしコンビニに寄って帰るんで…。」
そう言って彼女はコンビニに入ろうとした。

「ちょっ、ちょっと待ってください!!」
俺は慌てた。


「このままだと、もう会えないんで、良かったら連絡先教えてもらえませんか?」
自信と期待を込めて聞いてみた。


「彼氏に怒られるんで、ゴメンナサイ。」


なにやら雲行きが怪しくなってきた。
さっきまでのイケそうな気配がもう感じられない。


「彼氏居るんですか?電話とかしないんで、メールアドレスだけでも教えてくれないですか?」


「怒られるんで、ゴメンナサイ」
さっきと同じセリフだ。完全に拒否している。


しかし、コンビニに入る素振りは見られなかったので、もう少しねばってみた。


だが返ってくる言葉はいつも「ゴメンナサイ」だった。


コンビニには入らないものの、「Yes」の返事は聞こえない。


ここまでねばっても無理なのか?


あまりやりすぎると、「しつこい!」と思われるかもしれない。
そうなったらどっちにしろ終わりだ。
てゆうか、もうダメだろ?
そして、俺は諦めた。

今までおこなったナンパの中で一番の好感触。無視されずに話せたことが嬉しかった。
この調子で行けば、成功する日もそう遠くないのかもしれない。



アラシと共に駅に戻ったが、2人ともその日はもう声かけるのをやめて、帰ることにした。




あとになって考えて見ると、彼女がなかなかコンビニに入ろうとしなかったのは、少なからず脈があったからなのだろうか?


もう少しこちらの熱意が伝われば アドレスぐらいは教えてもらえたのかも。