第6回、独りぼっち-2
アラシと2人の時はすんなり声をかけることが出来るのに、1人だと何もできないのか…。
今までのナンパでは、アラシより、俺の方が積極的に声をかけている。
2人で声をかけるときも、アラシより、俺が積極的に話しかけていた。
アラシは俺がいないとナンパ出来ないんだろうなぁ、と思っていた。
しかし、1人になってナンパ出来なくなったのは俺の方だった。
知らず知らずにアラシに依存していたのだ。
俺のなかでのアラシの影響力のでかさに気づいた。
だが、今ここにアラシはいない。 1人で声をかけるしかないんだ。
頭ではわかっている。だが、声をかけることができない。
駅の広場では、道行く人に片っ端から「アンケートお願いします」と声をかけてる人がいた。
あんなふうに、躊躇なく声をかけれたらいいのになぁ。そう思いながら、移動した。