第7回、リベンジ-2
駅前の広場で、どの娘に声をかけようかと、アラシと話しながら目の前を通り過ぎる女の子を眺めていた。
今日は、ストリートミュージシャンは居なく、ただ人の歩く音、街の喧騒が周囲を包んでいる。
「あの二人組に行ってみようか」
アラシが言った。
どちらが最初に声をかけるか話し合っているうちに、2人組はどんどん歩いて行ってしまう。
結局、俺が第一声を発することになった。
俺達は2人の少し後ろを歩いて、タイミングをみて話しかけるつもりでいた。
駅前から少し離れ、そろそろ人もバラケてきたところ。
声をかけてもいい頃合いだ。
間合いを少しずつ詰めていく。
だが、声をかけることはできなかった。
「ダメだ、なんか躊躇して、声かけれない」俺は言った。
「どうした?いつものハヤオらしくないじゃん」
「う~ん、なんかねぇ、ダメだね」
俺は前回のことで、ナンパすることに対して、臆病になってしまった。
俺達は、駅周辺の飲み屋街を散策してみた。
「お兄さん!どおっすか?キャバクラ!」
「ピンサロどおですか?カワイイ娘いますよ。」
客引きの元気な声に圧倒されながら街を歩いていた