第7回、リベンジ-3
飲み屋街から少し離れた道にも、客引きが立っていた。
男1人、女2人。
「どおですか?今なら無料体験やってますよー」
俺は客引きの目の前を通り過ぎると、アラシに言った。
「無料体験ですって、ちょっと行ってみます?」
「そうだね、ちょっと話し聞いてみようか」
俺達は彼女たちに近づき、尋ねた。
「なんの体験なの?」
「ストレッチのお店なんですけど、今なら無料体験やってるんで、やってみませんか?」
「じゃあ、2人お願いします」
「ありがとうございます。こちらへどうぞ。」
中へ入るとソファーが並んでいた。
その奥にベッドが8台ぐらい並んでいた。
「じゃ、こちらどうぞ」
と若い男の店員が奥へ促す。
「アラシさん、お先にどうぞ」
この若い兄ちゃんがストレッチするとふんで、男より女がいいなぁと思った俺は、先にアラシを行かせた。
アラシは店員の後ろについて行った。
小柄な女性店員がやって来た。
「案内します。どうぞ。」
作戦は見事成功した。
俺は小柄な女性店員に案内され、疲れている所を聞かれたので、「肩」と 答えた。
そしてストレッチをしながら、色々な話しをして、私達は店を後にした。
「俺も女の子が良かったよ」
アラシが溜め息混じりに言った。
「女の子かわいかった?テンション上がってきたんじゃない?」
「確かに、さっきよりはマシになったかも」俺は少しだけ浮かれていたのかもしれない。
「俺も女の子と話しして、リハビリするわ」
アラシはそう言うと、路上で居酒屋の案内をしている若い女性店員に話しかけた。
「店どこなの?こんでる?何時まで開いてんの?」
ひとしきり話し終わったあと
「どうすっかなぁ…。じゃあ、ちょっと考えてみるわ」
アラシはそう言って、店員と別れた。