第8回、君がいた夏-2
仕事が終わり、花火会場に着いてみると、花火はもう終わっていた。
花火は見れなかったが、そんなことは俺たちには、どうでもいいことだった。
夜はまだ、これからだ。
3人は帰路につく人の波に逆らって行った。
「すごい人だなぁ」
アラシが言った。
「ここじゃ声かけれないから、路地にでも入ってみましょうか」
俺は提案した
3人は人通りの多い通りから一本ずれた通りに移動する。
「一番年下だから、俺が、ガンガン声かけますよ!」
花火会場に着く前にカミヤが言っていたのだが、実際にやるぞとなったら、若干カミヤが 尻込みしてる感じがした。
2人組の女の子とすれ違った
「とりあえず、あれ行くか?」
アラシが指差してみんなに言う
俺もアラシも、カミヤのポテンシャルを確かめるため、全てを任せ、俺達はカミヤの後に続いた。
3人は女の子達の背後から声をかけるタイミングを見計らって後をつけている。
女の子達は居酒屋に入ろうとした。
このタイミングか?
だが、カミヤは動かない。
女の子達は居酒屋に入って行った。
しかし、すぐに店から出てきて、俺達とすれ違う形となった。
このタイミングか!?
だが、カミヤは声をかけない。
そして俺達は、また女の子達の後をつけることとなった。
「ちょっと待った!!いっかい作戦会議しよう。」
業を煮やした俺がアラシとカミヤを呼び止めた。
「どうしたカミヤ、勢いがなくなったじゃん」俺は聞いた
「いや~、ちょっと動けなくなっちゃいましたね」