30代中年おじさんのナンパのススメ

ナンパして、人生をバラ色に変えちゃおう

第8回、君がいた夏-4

「なんて声かけよーかなー」
カミヤはそんなことを言いながら俺らと談笑する。
わりとリラックスしてきたみたいだ。

浴衣を着た二人組に声をかける。

「あのー、僕、暗いところ怖いんで、一緒に帰ってもらっていいですか?」
カミヤは、怯えた子羊のように話しかけた


「え!?嫌です!!」
即答だ。


カミヤは俺らの所に笑いながら戻ってきた。

俺らも笑って迎える。

「俺、もう吹っ切れましたよ」
だんだんテンションが上がってきて、ここに着く前の勢いが戻ってきた。


「次、アラシさん、一緒に行きましょう」


「おお、いくか」
二つ返事で了承した。

不動産屋のまえに貼り出してあるアパートのチラシ。
それを見ている2人の女の子に、背後から近づいていった。


「あのーすいません」カミヤが一声。


女の子達は、返事もせず、振り返りもせず、去っていった。 


「無視か…」
俺がつぶやくと


「今のはアラシさんが悪いんですよ」


「どした?」


「声かけようとしてたらアラシさんが、おいカミヤ!けつ触るなよ、って言うんですよ」カミヤが少し憤慨して言う

「わかったよ、もう言わないからさ(笑)」
アラシはおどけて答えた