30代中年おじさんのナンパのススメ

ナンパして、人生をバラ色に変えちゃおう

第8回、君がいた夏-10

今度は駅の東口に行った。
もう花火が終わってからだいぶ時間がたっている。


人もまばらになった。 
浴衣を着た20歳前後の女の子2人。
二人とも大きなぬいぐるみを両手で抱えていた。ゲームセンターにでも寄って来たんだろうか?


俺とカミヤが声をかける。アラシは後からついて来る。


「こんばんわ、大きいぬいぐるみだね。どうしたの?ゲーセン?これからどこ行くの?」

彼女たちは、「うん」「いや」「べつに」と言った素っ気ない反応。
そのまま一緒に駅に向かって歩いて行った。

すると突然彼女たちが大きな声で言った。
「ねぇー、助けてー。ナンパされて絡まれてるのー。」

待ち合わせをしていたのであろう。男が3人、女が1人椅子に座っていた。

あちゃー。ヤバいなコレ。内心トラブルの予感がして、俺たちは急遽回れ右をして何事もなかったように歩く。


「アハハハ、お前なんかナンパされる訳ねぇだろ」

背後からそんな声が聞こえてきた。



門を曲がり、しばらく歩いた。
「ショボそうなヤツらだったから大丈夫そうですよ」
カミヤが言った。


「何なんだよ!!あいつら、待ち合わせしてるならそう言えよ」
アラシもご立腹だ。


「本当だよ。わざわざ近くまで連れて行きやがって、性格悪いなぁ」