30代中年おじさんのナンパのススメ

ナンパして、人生をバラ色に変えちゃおう

第8回、君がいた夏-13

俺たちは西口に移動した。


二人組の女性を見かけた。ひとりは水色の浴衣を着ていて、もうひとりは、浴衣ではなく、黒い服を着ていた。

もう時間も遅いし、これで最後にしようと、カミヤとアラシが行った。


「こんばんわ、花火見ました?」
カミヤが声をかける。

「見てません!!」
黒い服の女は怒り混じりの声で強く言いきった。

2人はすごすごと戻ってきた。


「ムリです。なんか話しかける前から、誰かの文句すげー勢いで言ってましたよ」
ため息混じりにカミヤがつぶやいた。


「浴衣着てるのに花火見てないのか?」


「いや、もう話しかけられてイラッとしたんじゃないですかねぇ?」


「そっか。んじゃ、もう帰るか」


俺たちは戦場を後にした。