第10回、職務質問ー2
エンジンがかかり、俺たちはバイクにまたがった。
出発しようとギアを1速に入れ、ゆっくりとクラッチを放しながらアクセルを開けた
…スン。
また、止まった。
今度はヒューズは切れていなそうなので、またセルを回し、エンジンをかけた。
キュルルル、ヴォン
さっきよりエンジンを吹かしながら、ゆっくりとクラッチを放した。
…スン。
まただ。
「アラシさん、もう一回降りてもらっていいですか?」
「あぁ、大丈夫か?」
「わかんない。最悪バイクをここに置いて帰るしかないですね。」
俺はエンジンをかけ、慎重にエンジンを吹かしながら、クラッチをゆっくりとはなした。
ヴォーン、ヴォン、ヴォーン。
今度はエンジンが止まることもなく走り出した。
付近を軽く流して、アラシのとこに戻った。
「直ったねえ」
アラシは嬉しそうにそう言って後ろに乗った。
「んじゃ、行きましょう」
ギアを1速に入れ、クラッチを放した。
…スン。
「あれ~。」
「何だよ~」
「アラシさん乗っけると止まっちゃうなぁ。嫌われてんじゃないの?(笑)」
「何だよそれ~」
「しょうがないですね、ここに止めて歩いて行きましょう。アラシさん帰りは、電車になっちゃいますね」
しばらく歩くと、U駅に着いた。