30代中年おじさんのナンパのススメ

ナンパして、人生をバラ色に変えちゃおう

第10回、職務質問ー4

俺たちは、駅から出てきて信号を待っている人を見て、 誰に声をかけるか吟味していた。


「俺、あの娘いきます。」


「どれ?」


「帽子被って、リュック背負ってる女の子」

信号が赤から青に変わり、みんなこっちに向かって歩いてくる。


「すいません」


ビクッ!?
彼女は突然の声をかけられ、驚いたようだ


「すいません、あのー」

「…」

シカト


俺はアラシに報告した。



「どうします?もう人も少なくなってきましたよ」

「そうだな、んじゃあと一回まわり歩いて、誰もいなかったら帰るか」


そう言って駅前を歩いていた。


制服を着た警察官が3人立っている。


「何かあったのかなぁ、」
そう言いながら、アラシは何度も警察官の方を振り返る。

「あんまり不振な動きするのやめといた方がいいよ、来るから」


俺はそう言って警察を見ようともせず、アラシに向かって手を横にヒラヒラ振った。


「お兄さん達、すいません。ちょっといい?」


突然後ろから声をかけられた。

振り返ると、さっきの警察官だった。


40代前半の警察官。その両脇には、つい最近警察官になったばかりといった感じの新米が立っていた。