第10回、職務質問ー6
あぁ、これ職務質問だな。
職務質問ってのは、任意だから拒否できるって聞いたことがある。
「無理です」
俺は毅然と答えた。
「じゃあさぁ、鞄の中見せてくれる?」
「はぁ?なんで?
これ、任意ですよね?」
俺は聞きかじった知識で反論した。
「えぇ、だから協力お願いしますよ」
「なら拒否します。」
何もやましい物は持っていない。だか、このまま言いなりになるのは、しゃくに障る。
「お兄さんなんで見せれないの?
何かみられたらまずい物でも持ってんの?」
「持ってねぇよ!」
俺もだんだん、イライラしてきた。
「ここじゃ人目にもつくし、交番でゆっくり話しでも聞かせてよ。
ここで人にジロジロ見られるのもやだろ?」
そう言って、警官は俺達を交番に連れて行こうとする
「べつに、ここでいいし、
わざわざ交番行く意味がわからん。てゆうか、職務質問には協力する気がない。」
「じゃあ、こっちのお兄さん、ちょっといい?」
そう言って、俺とアラシを別々に引き離し、俺のところには40代の警官と新米。アラシの所には新米警官一人といった感じで別々に話しを聞くようだ。
アラシは聞かれたことに素直に答えていたようだ。
その間、俺に対する質問には一切の沈黙で対応していたらしい。
しばらくして、アラシが戻ってきた。
「少し二人で話がしたいから、離れててもらえる?」
警察にそう言って距離をとる。