30代中年おじさんのナンパのススメ

ナンパして、人生をバラ色に変えちゃおう

第20回、花見ー2

「人、多いですね」


「そうだな、これは期待できるな」
心なしかアラシも楽しそうだ。



「一応端っこまで歩きますか」


「そうしよう。」



両サイドからの楽しそうな歓声を聞きながら、桜の途切れるところまで歩いた。



そこは広場になっていて、そのまま真っ直ぐ進むと噴水があり、噴水の手前にはスターバックスがある。



左に曲がると上野動物園の入り口になっている。



右に曲がれば駅の方に向かう。



俺たちはUターンして騒がしい桜並木の通路を戻った。



「声かけづらいなぁ」
1往復してアラシが言う。



「わかります。まわりに人が多すぎて、視線が気になりますよね」


「そうそう、座って飲んでる奴らから丸見えだから、あいつらナンパしてるよって思われるのも、それで失敗するのも恥ずかしいよな」
2人とも人の多さに腰が引けて地蔵になってしまった。


この桜の通路をもう3往復はしている。