第20回、花見ー3
「ここの階段下りてみます?」
「そうするか。」
階段を下に降りると、不忍池につく。露店が眩い光をはなっている。
一通り歩き、また桜の通路に戻ることにした。
何も出来ないまま今日は終わるのか?
嫌な空気感が2人を包む。
階段を上り桜の通路に戻った。階段と逆方向に進むと、西郷隆盛の銅像がある方向だ。
「あっち行ってみます?」
「いいよ、行こうか」
木々が生い茂り、さっきの通りより薄暗い印象をうける。
そこにもブルーシートを広げ宴会をしている集団がいる。
「これって、会社かなぁ?」
アラシがその1グループを見ながら言った。
「あぁ、ポイッスね、めっちゃ楽しそうですね」
「羨ましいわぁ、こんな会社入りたいわ」
オッサンとオッサンの間に若い女性が入り楽しそうに飲んでいる。
俺もアラシも、職場にはおばちゃんしかいない。
仕事内容より、給料より、何より羨ましい職場環境だ。