第20回、花見ー4
また奥まで歩く。
2人とも声はかけていない。
「イェーイ!!」
大学生風の2人組のチャラ男が若い女の子にビール片手に話しかけていた。
ナンパだ。
「あれってアリなの?」
アラシが俺に聞く。
「まぁ、何もしないよりはいいんじゃないですかねぇ」
俺たちは、今日まだ1度も声をかけていない。
「まぁな、ナンパに正解はないからな。俺たちもやらなきゃな。」
また1番端っこまでたどり着いた。
これでは駄目だ
「アラシさん、あれいきましょう」
俺は、ツバの広めの黒いハットをかぶった女と、白っぽい服装の2人組を指差した。
「いいよ、いこう。」
俺はそっと斜め後ろから近づき、声をかけた。