第21回、レイプ魔と俺-5
「あーはいはい、いたいた。」
「あいつもあの女狙ってるのかな?」
「えー、そんなことある?」
「だって、女の歩く速度すげぇ遅いのに一定の距離とって歩いてますよ」
「そうだな、俺らは女尾行してるからわざと遅くしてるし…」
「あ、曲がった」
作業着の男は右に曲がった
女はまっすぐ歩いている。
「あれ?気のせいだったのかなぁ?」
「そうじゃないの?もう曲がったんだから」
「えー、でもなぁ…。何か不振な挙動なんだけどなぁ」
俺は不本意ながらアラシの言うことに納得した。
駅から離れ人もまばらである。右手の女子大を、横目に、そのまま真っ直ぐ進む。
街灯も少なくなりどんどん暗がりが広がるなか女はゆっくり、ヨタヨタと歩みを進めていく。
俺達は一定の距離を保ちながら尾行を続けた。
俺達と女の間には誰も居ない。女がふりかえったら、警戒されること間違いなし。
女が丁字路を超えると 丁字路のカドから男が一人現れた。
「あれ?あいつさっきの作業着じゃないですか?」
「え? あっ、そうだそうだ、あいつだ!」
アラシは興奮したように言った。
「あいつ、やっぱりあの女狙いですね」
「あぁ、間違いないね」
坂道に差しかかり、女は更に暗がりの中へ。