第21回、レイプ魔と俺-6
「もしかしたらあいつ、この暗がりに乗じて女を隅っこに引っぱり込んで無理やりやろうとしてるんじゃないですか?」
俺は少し心配になった。
「えー、まさか。
でも、どうかわからないな」
「もし、そうなったら助けましょう。」
そう言って俺は気を引き締め、グッと拳を握った。
「わかった。やれるだけやってみるよ」
アラシは真剣な表情でこたえた。
作業着の男が女との距離を縮めていった。
まさか…。
俺達に緊張が走った。
作業着の男は、追い抜きざまに女がよろけてぶつかりそうになったのをきっかけに声をかけた。
「声かけましたね」
「やばいな、いよいよだな」
女はまだ通話中だ。
相変わらずヨタヨタと歩いている。
作業着の男はその傍らで寄り添うように歩きながら、ときどき女の方に顔を向け、ふらついた時に肩や腰を支えるしぐさを見せる。
いつ何が起こってもおかしくはない状況だ。