第22回、足立花火大会2016ー7
「アラシさん、あれは?」
俺は土手の傾斜にレジャーシートを敷いて話している少し元ヤンぽい30代と思われる2人組を指さした。
「あれかぁ。」
アラシはあまり乗り気じゃない返事をした。
「イマイチですか。じゃあ、端っこまで行って、誰もいなかったらあの2人組に行きましょう。」
「わかった。そうしよう。」
アラシは頷いた。
人もまばらになってきた。
そろそろ端であろう。
浴衣を着た女と、仕事帰りと思われるキレイめの上品な恰好の女が河川敷の段差に座っている。
「あれ行きましょう。」
俺は指さす。
「いいよ。行こう。」
アラシは二つ返事でOKした。