第22回、足立花火大会2016ー15
女の方も握り返してくる。
「もっと速く歩け-。」
10mほど先を歩いている眼鏡女が後ろを振り返りながら叫んだ。
横のアラシがなだめるように眼鏡女の肩を叩く。
そのまま肩を組もうとしているが、眼鏡女に手でふり払われていた。
俺の右肩にワンピース女が頭をもたれかかってきた。
あれ?これイケる?
とりあえずキスしちゃう?
俺の中で色々な考えがめぐる。
また眼鏡女が振り返るかもしれない。
下手にキスすると、警戒されて次に繋がらないかもしれない。
どうする?おれ。
考えた末、ワンピース女に、一言告げた。
「後で連絡先教えて。」
今考えれば、キスしといても良かったかも知れない。
しかし、ヘタレた俺の精一杯だった。
ワンピース女はコクンと頷いた。