30代中年おじさんのナンパのススメ

ナンパして、人生をバラ色に変えちゃおう

第3回、置き引きに御用心-6

2人のもとに戻ると、ナガレさんが 寝ている酔っ払いを見て、私達に一言。


「おい、人が居なくなったら、あの荷物取れるぞ。多分財布も入ってる」


「止めましょうよ」


と私は言った。


しかし、しばらく様子を見ることになった。

やがて、1人の不審者が現れた。


髪はロン毛、 トートバックを持った男。


細身のハーフパンツ。上は水色の半袖シャツを着て、その酔っ払いの近くで電話をしていた。


なぜ、終電の行った今駅で立ち止まって電話をしなければならないのか?


「あいつも狙ってるな」ナガレは言った。


私達はしばらく隠れて様子を見ることに
取ったらそのまま捕まえようと観察していた。



と言っても、バレバレらしく、こっちをメチャメチャ警戒している。


なかなか犯行におよばない。


そりゃそうだよな、私達に見られているからね


しばらくすると、奴の姿がない。


「あれ?いない」

私は帰ったと見せかけてどこかに居るはずだと思っていた


突如アラシがさっきまでヤツが居た場所に歩いていった。


そしてすぐに戻ってきた


「居た。そこの影の階段の踊場みたいなとこ目が合っちゃったよ」

ヤツが定位置に戻ってきた。


しばらくすると、また奴が居なくなった


居た。道路を歩いている。もしかしたら本当に帰ったのかも?


私はこれもポーズで帰ったふりだと思っている。


ナガレさんから電話だ。
「やってもいい?簡単に取れるよ。山分けでいいからさ」


「止めましょう。賛成出来ないっすよ」


そんなに話しをしているうちに、酔っ払いはほかのサラリーマンに腕を引っ張られて。無理やり起こされていた。


起こしたサラリーマンはそのままどこかに消えて行った。


知り合いではなく、ただのいい人だったようだ。


酔っ払いは立ち上がり、フラフラと歩いて行った。



そして私達も家路についた