30代中年おじさんのナンパのススメ

ナンパして、人生をバラ色に変えちゃおう

2017-06-01から1ヶ月間の記事一覧

第19回、疑惑ー6

「男が居ない。」 俺は呟いた。 「後で合流するつもりだな。」 アラシが言う 奥さんは左に進み、階段を降りた。右手にスマホを持ち耳にあて、誰かと電話しているようだ。 俺たちのは、慎重に、バレないように距離をとり、見失わないように後をつけた。 階段を降…

「男が居ない。」 俺は呟いた。 「後で合流するつもりだな。」 アラシが言う 奥さんは左に進み、階段を降りた。右手にスマホを持ち耳にあて、誰かと電話しているようだ。 俺たちのは、慎重に、バレないように距離をとり、見失わないように後をつけた。 階段を降…

第19回、疑惑ー5

「それにしても、似てたんですよね。もう今更ですけど…。」 一体どこに消えたのだろうか。 「やっぱ他人のそら似なんじゃ無いの?普通タバコ吸わないでしょ、男と歩いているの見られたんなら。」 俺も同じようなことを考えていた。 「あっ、また。」 今度は奥さん…

第19回、疑惑ー4

リュウジと言うのは、もともとは、先輩の知り合いで近所に住んでるってこともあり、何度か顔を合わせるうちに、先輩抜きでも時々飲みに行くような仲になった友人だ。 もちろん奥さんとも、何度となく顔を合わせたことがある。だが、ハッキリと顔を覚えてなく…

第19回、疑惑ー3

「あれ? アラシさん、あれリュウジの奥さんじゃない?」 俺は驚きと同時に慌てて奥さんを指差し、アラシに確認を求めた。 「ん?あれ?うーん? 解んないなぁ。 おれリュウジの奥さんって、あんまりハッキリ見たこと無いんだよね」 アラシは俺の指差す方向に 目…

第19回、疑惑ー2

ここには、スカウトマンらしき若い兄ちゃんが4人ほどいて、ジットリとした瞳で改札から出てくる女性を選別している。ひと度お眼鏡にかなうと、すぐさま声をかけに行くのだ。 まわりに人が居ようが居まいが関係ない。 躊躇なく声をかけれる姿勢は見習うべきと…

第19回、疑惑ー1

少しずつ肌寒くなってきた頃、俺たちは松戸駅にいた。 松戸駅は改札が二階で、東口も西口もデッキになっている。 ここは、古くからの宿場町で、東京の玄関口とも言える。 快速電車も停まる大きな駅だ。 JRの改札の隣には、新京成の改札があり、多くの乗降客…

第18回、酔っぱらいにご注意ー6

彼女は駅から、大通りに向かう道を歩いていた。 この大通りは、蔵前橋通りと言われ 千葉方面から真っ直ぐ蔵前の方に延びている道路だ。 「友達が迎えに来てくれるって言うんで、蔵前橋通りで待ってようと思って。」 「あぁ、そっか、良い友達だね」 「そうなんで…

第18回、酔っぱらいにご注意ー5

まわりよりスローペースで歩く女。 時々ふらつくのは、酔っている証拠。 「アラシさん、あれ酔ってますよ。どうぞ。」「いや、ハヤオ良いよ」 俺たちは、別に酔っている女を襲おうってことじゃない。 ただ、酔っているとみんなガードが低くなり、知らない人でも…

第18回、酔っぱらいにご注意ー4

「いえ、よく見えないんですよ」 俺たちは答えた。いつの間にか後ろには鳶職らしき作業服を、着た20代後半の男も立っていた。 作業服の男はスマホを取り出し、カメラのライトで照らしながら下から覗いてみる。 「見えますか?」 みんな仔猫が心配だった。 「あっ…

第18回、酔っぱらいにご注意ー3

ミャー、ミャー。 あいかわらず仔猫の鳴き声が聞こえる。 「あれ?まだ猫鳴いてますね」「そうだな、どこから聞こえるんだ?」「俺もそう思ったんですよ。こっち?」 俺は宝くじ売り場の裏に回った。ミャーミャー。声がする。宝くじ売り場とイトーヨーカドーの間の…

第18回、酔っぱらいにご注意ー2

「ここ目立つね」 アラシが言う。 「そうですね、ちょっと歩きましょうか」 俺たちは歩き出した。 南口を出て左に進むと、地蔵通りがある。 この通りは汚い居酒屋とイヤラシいお店が乱立している素敵な通りだ。 そこを抜けると、キャバクラの呼び込みが大勢立っ…

第18回、酔っぱらいにご注意ー1

JR総武線小岩駅。 この駅に来るのはもう何度目だろうか? 以前来たとき、アラシが声をかけた瞬間、 女の人が「キャー」って悲鳴を上げたのを思い出す。 秋の夜風が涼しく、時折肌寒く感じる。 誰が言ったか知らないが、秋は何をするにも良い季節らしい。 食…

第17回、新宿ー8

「俺より先に行くなんて、珍しいですね」 「うん、って言うか、逆に今日どした?全然じゃん。」 「いやぁ、何ですかね。なんて話しかけても無視されそうで…。 でも、行きますよアラシさん行ったんだから俺も行かなきゃ」 なんとか気持ちを高ぶらせて声をかけること…

第17回、新宿ー7

女性のレポーターは新人らしくオドオドしていた。 カメラマンはイライラした様子でレポーターに吐き捨てるような口調で何か言っている。 レポーターは暗い表情でうつむいて、今にも泣き出しそうだ。 女性のレポーターは歩行者天国を歩く女性に話しかけては断…