第4回、真昼の池袋-4
「俺、道を聞くわ」
おもむろにアラシは言った。
アラシは逃げられたことで、深く傷つき声をかけることに臆病になってしまった。
それを克服するために、女の子に道を聞くというリハビリを考えたのだ(^^)
ここは東口。
駅からは少し離れている。
「西口の場所聞くわ」アラシは道を聞くことに燃えていた
ターゲットが来た。
しかし、アラシは話しかけない
ターゲットは行ってしまった。
また次のターゲットがやって来た
すれ違う瞬間 いきなり 「すいません」と話しかけたもんだから、女の子はビックリしたようだ。
一瞬逃げようとして、警戒しながらもアラシのに道を教えてくれたのである。
その様子を見て、俺は、一つ気づいた。
「なんで逃げられたり、キャーって悲鳴上げられるかわかったよ」
「なに?なに?」
「アラシは声かけるのが急過ぎるんじゃないかなぁ?普通にすれ違おうとしてる人がいきなり、『わっ!!』って脅かすようなもんだと思う」
「そう言われると、そうかも知れないね、ちょっと気をつけるわ」
2人は西口に向かった。
空は黒い曇がおおっていて、今にも雨が降り出しそう。
西口の公園でもハワイ祭りをやっていた。
今日は池袋全体でハワイ祭りみたいだ。
ポツポツと 雨粒があたる。私達は濡れる前に駅の地下へ急いだ。
途中フラダンスのババア連中とすれ違った。
「何だよ、露出しててもババアじゃうれしくないんだよ」
アラシはそう言いながら、私の向こう側をすれ違うババアにタッチした。
ギリギリ痴漢ですよね?(笑)
雨が強く降る前に2人は地下街に入り込んだ。
地下街は人であふれていた。
壁に大きく貼ってある地下の地図を眺めていると、同じように地図を眺めている女性。
俺は話しかけた。
「迷子ですか?」
「いえ、違います」
「奇遇ですね、僕も迷子じゃないんですよ」
女性からの返事はなく、足早に去っていった。
俺達は場所を変えることにした。