30代中年おじさんのナンパのススメ

ナンパして、人生をバラ色に変えちゃおう

第6回、独りぼっち-5

「大丈夫ですか?」


「…」


返事がない。彼女は目をつぶっていて、俺に気づいていないようだ。


意を決してもう一度聞いてみた。
「あのー、大丈夫ですか?」


「…。」


相変わらず、目をつぶっている。さっきより大きな声で話しかけたので、聞こえていないはずはない。


しかし、女性は全く微動だにせず、その場に立ち止まったまま目をつぶっている。


俺は、少し離れて観察してみた。
すると、彼女は何かを拾う素振りをして、今度はしっかりした足取りで今歩いて来た道を戻った。


そしてまた立ち止まり、何かを拾い上げるそぶりをして歩いて行った。


あれは一体何だったのだろうか。
何か宗教的な儀式だったのかもしれない。