第8回、君がいた夏-11
結局、男たちも追いかけてこなかったので、余計なトラブルにもならず、俺たちはホッと胸をなで下ろした。
そのまま反対側の西口を目指した。
人気のなくなった街を歩く。
夏を感じる蒸し暑さが 体にまとわりついてくる。
セブンイレブンの前でぽっちゃりした3人組を見かけた。
「アラシさん、あれは?」
「アレねぇー」
「いいじゃないですか、行きましょうよ」
カミヤのやる気には脱帽だ。 この頃にはもうアラシのテンションは下がりきって、元気がない。
「こんばんわー」
「お疲れさまでーす」
「花火みました?」
それぞれが、各人に話しかけた。
「今からどこ行くんですか?」
「帰ります。」
そう言って3人はタクシーの停留所で待っている。
「俺たち芸人なんでネタ見てもらっていいですか?」
「いえ、結構です。」
そんな会話をしてるうちにタクシーが来た。ぽっちゃり3人はタクシーに乗っていった。