30代中年おじさんのナンパのススメ

ナンパして、人生をバラ色に変えちゃおう

第10回、職務質問ー7

「何聞かれた?」


「名前と、住所と生年月日。ハヤオのことも聞かれたけど、それには答えなかったよ。 何で言わないのか解んないけどさぁ、言いたくないなら言わなくてもいいよ。」
アラシはそう言って、俺を後押ししてくれた。


「別に、やましい物も持ってないし、名前だって言っても良いんだけど・・・、ただ、このまま黙っていたらどうなるのかなぁと思って。 あと、一方的に疑われるのも腹立たしいし。」


「わかるよ、犯罪者扱いだもんね。まぁ、俺のことは気にしなくて良いから、好きにやったらいいよ。」

  
警察に聞こえないようにしていたヒソヒソ話しは終わった。


そうと決まれば、「何も言わない!!」そう心に決めた。


「どう?話しまとまった?名前教えてくれる?」


「・・・」


俺は何も答えなかった。


その後、何の質問をされても俺は、沈黙を貫いた。


最初に声をかけられてからもう2時間はたとうとしていた。


バイクで来たのだが、壊れてしまったのでアラシは電車で帰らなければならない。


少しずつ歩いて、駅に向かった。改札に向かおうとすると、警察官が前に立ちふさがる。


「何ですか?任意ですよね?もう帰るんで、じゃましないでください」

「そうですよ。だからお願いしてるんです。」

「だから協力できませんって。帰ります。」

「いや、ちょっと待って。」

改札に行こうとする俺に、警察は体を盾にして、行かせないようにする


「どけ!」

「行かせない!」

そうこうするうちに、警察の応援がきた。

しかも5人。

合計8人に囲まれ、終電も近い。