第11回、小岩駅-1
この日は、小岩駅にいた。
相変わらず、バンゲも出来ないまま。それでも諦めない俺たち。
結果だけ見れば、女の子の知り合いが増えたわけじゃないし、ナンパする前と、何も状況は変わっていない。
しかし、人は少しずつでも成長していくものである。
最初の頃に比べると実感はないが、様々なスキル、能力が上がっているはずだ。
ナンパは女の子と知り合う以外に利点がある。
ナンパでは、まず声をかけなければならない。
その時に緊張したり、人目を気にしたりと様々なことが心の中で起こる。
人見知りの私にとっては、声をかけるだけで、大変な労力だ。
しかし、続けていくことによって、緊張もせずに声をかけられるようになると思う。
それは、普段の仕事にも活かされるはずだ。
人前で緊張せずに話したり、人目を気にせず振る舞ったり、そういった能力が培われる。
声を掛けた後は、私に対する警戒心を解いてあげなければならない。
警戒している人に対してどんな素晴らしいことを言っても、何も心に響かない。そのために、高いトーク術が必要になってくる。
つまりは、人とのコミュニケーション能力の向上が望める。
仮に無視をされたとしても、向上する能力がある。
「諦めない心」である。
無視をされると、自分自身の存在を否定され、ヘコむ。
しかし、どんなに失敗しても諦めなければ成功する。と自分を奮い立たせ、またチャレンジする。
その繰り返しにより、強い心が養われてゆく。
「ナンパ」
それは、仕事の成功にも、人生の成功にもつながる。
そしてナンパは、結果だけが重要なのではない。過程もだいじなのである。