第11回、小岩駅-2
夜10時頃。駅の階段を降りてきた千鳥足の女がいた。
歳のころは40をとうに超え、50はいってるんではなかろうか。紺色のワンピースのドレス。首もとは大きめのネックレスを付けていた。
何かのパーティーの帰りでお酒を飲んでいる感じだった。
「アラシさん、あれ。」
俺は、フラフラ歩く女を指さした。
「お、酔ってるねぇ。いいじゃない。ハヤオ行く?」
「いや、アラシさんどうぞ」
「じゃあ、行くわ」
熟女好きのアラシは50歳でもストライクゾーンにはいる。
俺はというと、人にもよるが、50歳くらいでタイトなワンピースで強調されてる身体の部位が腹では到底そそらない。
結局は好みではないということだ。アラシに譲り俺は駅からはき出される人の波を吟味することにした。
「あの、すいません」
アラシは第一声をかけた。