第11回、小岩駅-4
アラシが声かけたのなら、俺もやらないわけにはいかない!!
目の前を、25歳くらいの女が通り過ぎていく。
「アラシさん、俺、あの子行きます!!」
そう言って小走りで近づき声をかけた。
「あのー、すいません。」
「…。」
こちらを見ることもなく、そのまま目の前にある「日高や」に入っていった。
俺たちは、商店街を歩きながら声をかける相手を探した。
俺はリクルートスーツを着た20代前半で身長が175cmはありそうな女の子に声をかけた。
「こんばんは」
彼女は、シカトしたまま
TSUTAYAに入っていった。
なんか、声かける人、すぐに店に入るなぁ。
なんて考えながら、再び駅前のロータリーに戻り、駅から流れてくる人波を眺めていた。
茶髪のオカッパでフリフリの服装の女の子が、俺のアンテナに引っかかる。
耳にはイヤホン。
「こんばんは、それ-、イヤホン、何聞いてんの?」
急に話しかけられて驚いたように目を見開いてこっちを一瞬だけ見て。歩みを止めずに答えた。
「ピットブルー。」
「何それ?全然知らない。どんな曲?」
その質問の答えは返ってこなかった。
そのまま、駅に戻る途中、アラシと合流た。