第12回、足立花火ー3
「あやしい人じゃないからね。 その浴衣かわいい柄だね、うちのばあちゃんが同じようなの着てたよ」
俺はアラシが調べたという、上げて落とす技を早速使ってみた。
「あはは、そうですか。」
ちょっとだけウケた。
「あれ?お姉さん、その指どうしたの?」
二人組のうち一人が指先から第二関節にかけて包帯を巻いている。
「これは、竹細工を造ってるときに切ったんです。」
「竹細工?職人さん?」
「いいえ、違うんです。専門学校で。」
「そうなんだ。そういう学校行ってるんだ凄いね。 二人とも?」
「私は違います。」
「学生?」
「そうです。」
「どっから来たの?」
「地元です。歩いてもうすぐなんで…」
「えーと、この後飲みに行かない?」
「えっ?いや、もう帰るんで。」
そんな話しをしながら、歩く4人。
赤信号に捕まった。
「じゃあ、今度飲みに行こうよ」