第13回、縁結びー3
「それにしても暑いな」
「そうですね、あそこのコンビニの中で声かける人探しますか?」
「いいねぇ、コンビニ涼しいし」
そうして俺達はコンビニの中の外が見える場所で外を歩く人を眺めていた。
「あのー、凄く目が合うんですけど…」
「そうだな、みんなこっちみていくな」
「場所変えましょうか」
俺達はまた神社に向かった。
神社には相変わらず人がいた。
カップル、2人組の女の子、ひとりできてる女もいる。
そこで俺達は、神社の出口付近に陣どり参拝帰りを狙うことにした。
この駅に降り立ってからもう2時間がたっていた。
いまだに誰にも声をかけていない。
このままじゃいけない!
とまわりを見渡す。
日傘をさし、グレーのロングスカートの20代後半の落ち着いた雰囲気の女性。
どうやらひとりで来ているようだ。
「アラシさん、俺あの人に声かけます」
「ぉお、行くか」
アラシは快く送り出してくれた。
「あのー、すみません。さっき神社で見かけて…、めちゃくちゃタイプなんで声かけたんですけど…」
彼女は歩みを止めることも無く、こちらをチラリと見た後、無言で会釈して立ち去った。
「ダメでした。」