第17回、新宿ー1
残暑がまだ残り、日差しも夏を忘れさせないぐらい照りつける。
日曜日、俺とアラシは近くのえきで待ち合わせをした。
立ち食いそばの店に入り、昼食をとりながら今日の作戦をたてる。
俺達は電車に乗り込み新宿に向かった。
日曜日の新宿は人も多く歩行者天国になっている。
いつものごとく、街を徘徊してどこで女の子をチェックするか相談しながら歩く。
一通り歩き、歩行者天国の端まできた。
俺は店を指さしてアラシに聞いた。
「あ、あそこ入ります?」
「いいよ、行こうか」
「いらっしゃいませ」
綺麗な店員さんが、薄汚い俺達を出迎える。
特に買う物があるわけでも無くただ、なんとなく入った店。
(おまえらがVUITTON?どーせ買わねーんだろ?)
卑屈な俺には店員の心の声がネガティブに聞こえる。
財布を見た後店を出た。