第21回、レイプ魔と俺-7
俺達もすぐに動けるように距離を縮めた。
しかし、男は無理やりどうこうする様子はなく、しばらくしたら女から離れていった。
男はレイプ魔ではなかった。
俺達と同じで、ナンパしてただけのようだ。
俺達と違うのは電話が終わるまで待てずに話しかけたところだ。
「何も起こりませんでしたね…。なんだつまんねーの。とっ捕まえて警察から表彰されたかったのになぁ」
俺はホッとした反面少し残念な気もした。
「アハハ。杞憂だったな。まぁ、何事も無く良かったってとこだな」
そう言ってアラシは俺の肩をポンと叩いた。