30代中年おじさんのナンパのススメ

ナンパして、人生をバラ色に変えちゃおう

第20回、花見ー1

皆さん大好きな「桜」



桜の花の下酒を飲み、楽しく騒ぐ。



まさに今お花見シーズン。



今回は都内有数のお花見スポット、上野公園でナンパすることにしました。



普段は人見知りな日本人でも、お酒が入れば陽気で社交的になりますよね。
まさに絶好のナンパスポット。



俺たちは上野公園に着いた。
相方はいつものアラシだ。


入り口のしだれ桜は満開。


俺たちは、道なりに真っ直ぐ進んだ。


両サイドには、それは見事に咲き誇る桜。


その花の下にはブルーシートを広げ、段ボールで起用にテーブルを作り、宴会を催している人達。


通路には訪れた人が花を見ながら歩いていたり、笑顔で写真を撮ったりとても楽しそうな風景が目に入る。

第19回、疑惑ー8

「あれ?奥さんは?」
アラシはタクシーに乗ったことに気付かなかったらしい。


「タクシーに乗っていきました。」


「そうなの?それにしても今の動き、理解できないわ」


「俺もです。タクシーに乗るのが目的なら、階段を降りてからタクシー乗り場に行けばいいんですよ」


「そうそう。あの無駄にワンブロック歩く意味が無いもんな。」


「俺らの目眩ましですよ。んで、尾行に気づいたからタクシーに乗ったと、で男を途中で拾ってラブホですね」


「ラブホかぁ…。つらいなぁリュウジ…。」


「これ、おもしろがってリュウジに言わない方がいいですよ。ヘタに突っつくと、あいつの家庭が壊れますよ」


「そうだよな。俺らの胸の内にしまっておこう。」


限りなく黒に近いグレーのままこの話は幕を閉じる。

第19回、疑惑ー7

奥さんとは30mくらい距離をおき、物陰に隠れながら後を追う。



奥さんが1つ目の角を右に曲がると、小走りで角の手前まで近づき、壁の陰からそっと顔を半分出し奥さんを確認する。



また一定の距離が開いたら、素早く回り電柱の陰やビルの陰、看板の陰に隠れながら後をつけた。



奥さんは次の角を右に曲がった。
そのまま真っ直ぐ進むとまた駅に戻る。



角のビル陰からそっと覗き、奥さんとの距離が離れているのを確認し、角を曲がった。


ビルの陰に隠れ
様子を見る。アラシもそれに続こうとした。



突然。 奥さんが振り返った。
夜も遅く、俺たちと奥さんの間には誰も歩いて居ない。


俺は隠れられていたかもしれないが、アラシは完全に見つかった。



「あちゃー、バッチリ見られちゃったよ」
アラシは少し申し訳無さそうに言葉を、発した。



奥さんは、少し歩速を早め駅に戻った。
改札へは階段を上がらなければならない。



1階はロータリーになっていて、バス停、タクシー乗り場がある。


奥さんは電話したまま、タクシー乗り場からタクシーに乗り、そのままどこかへ消えて行った。

第19回、疑惑ー6

「男が居ない。」
俺は呟いた。



「後で合流するつもりだな。」
アラシが言う



奥さんは左に進み、階段を降りた。右手にスマホを持ち耳にあて、誰かと電話しているようだ。



俺たちのは、慎重に、バレないように距離をとり、見失わないように後をつけた。



階段を降りるとキャバクラの呼び込みが声をかけてきた。



それを無視し、奥さんの背中を追った。



「アラシさん、尾行する時って、相手の後頭部を見ちゃダメなんですよ。相手の足元を見るんですって。」
俺はどこかで聞きかじった話しをした。



「なんで?」



「後頭部だと、相手が急に振り返ったときに目があうんですよ。 でも、足元だと視線が逸れてて、バレにくいんですって。」


でもそれは顔バレしてない人が尾行する場合であって、今回のような状況には当てはまらないということにその時は気づいてなかった。



「へぇ~、初めて知ったよ。」
アラシは納得し、さっそく試すようだ。

「男が居ない。」
俺は呟いた。



「後で合流するつもりだな。」
アラシが言う



奥さんは左に進み、階段を降りた。右手にスマホを持ち耳にあて、誰かと電話しているようだ。



俺たちのは、慎重に、バレないように距離をとり、見失わないように後をつけた。



階段を降りるとキャバクラの呼び込みが声をかけてきた。



それを無視し、奥さんの背中を追った。



「アラシさん、尾行する時って、相手の後頭部を見ちゃダメなんですよ。相手の足元を見るんですって。」
俺はどこかで聞きかじった話しをした。



「なんで?」



「後頭部だと、相手が急に振り返ったときに目があうんですよ。 でも、足元だと視線が逸れてて、バレにくいんですって。」


でもそれは顔バレしてない人が尾行する場合であって、今回のような状況には当てはまらないということにその時は気づいてなかった。



「へぇ~、初めて知ったよ。」
アラシは納得し、さっそく試すようだ。

第19回、疑惑ー5

「それにしても、似てたんですよね。もう今更ですけど…。」
一体どこに消えたのだろうか。



「やっぱ他人のそら似なんじゃ無いの?普通タバコ吸わないでしょ、男と歩いているの見られたんなら。」


俺も同じようなことを考えていた。



「あっ、また。」
今度は奥さんが改札から出てきた。




「えっ。なんなの?」
アラシもとまどっているようだ。




「わかんないです。追っかけましょう。」
そうして俺たちの尾行は再開された。



さっきと同じ方向に進み、喫煙所の前を通り過ぎ、さっき男が座っていた花壇の前も通り過ぎた。
男はもうそこには居ない。

第19回、疑惑ー4

リュウジと言うのは、もともとは、先輩の知り合いで近所に住んでるってこともあり、何度か顔を合わせるうちに、先輩抜きでも時々飲みに行くような仲になった友人だ。


もちろん奥さんとも、何度となく顔を合わせたことがある。

だが、ハッキリと顔を覚えてなくて、うろ覚えなのだ。




「あれ?さっき顔かくして歩いてたのに、喫煙所でタバコ吸ってますよ」



「えー?やっぱ違うんじゃないの?ハヤオに見つかったと思ったんならすぐにその場から離れるんじゃない?」



「ですよねー、でも凄い似てるんですよ。」



「あっ、奥さんがいない。」
そんな話しをしていたらいつの間にかタバコを吸っていた奥さんがいなくなっていた。



「えっ、男は?」
アラシが慌ててきく。


「います。」



「何だったんだ?居なくなったんならしょうが無い。キオスクの前に戻るか」



「う~ん、そうですね。」
俺は不本意ではあるが、キオスクの前でナンパに備えた。