第4回、真昼の池袋-5
話しかけたら、すぐ改札。 のような場所ではなく、少し歩きながら話しが 出来る通路のような場所がいい。
そんな場所が見つかった。
アラシが2人組を見つけたようだ。
「あれ行こうよ。」
「じゃあアラシ、第一声やって。俺が最初に声かけると居なくなるから」
「そっか、」
アラシはしぶしぶ納得した
女の子達に近づきアラシが第一声をあげた
「スイマセン」
「…。」
シカトだ。
すかさず俺も話しかける
「お疲れさ~ん」
こちらを一瞥した後、真っ直ぐ前を見てそのまま、歩いて行った。
またアラシが2人組を見つけた。
「こんにちは」
アラシが話しかける
俺も後に続く
「お疲れ~す」
返事は返ってこなかった。
元の位置に戻って、ターゲットを探していると、俺の好みの女性が目の前を通り過ぎて行った。
どうする?行くか?でもダメだろうなぁ
ダメもとで行くだけ行ってみるか?
自問自答の答えは出た。
「お疲れさま~」
女性はこちらを見た。しかし返事が返って来ることはなかった。
一度こっちを見たと言うことは、俺の見た目を確認したんだよな?
つまり、俺のルックスがダメだったってことか。
つらい現実が突き刺さる。
もう、そろそろ帰る時間だ。
「つぎで最後にしましょう」
俺は言った
「あれ行こう」
アラシは指差す。
今度は俺が声をかける
「スイマセーン、買い物ですか?」
「…。」
この日のナンパも成果を残せずに終わった。
改札を通りホームへ上がると、大粒の雨が滝のように降っていた。