30代中年おじさんのナンパのススメ

ナンパして、人生をバラ色に変えちゃおう

第8回、君がいた夏-6

俺たちは、浴衣を着てキャリーバッグを引いた3人組とすれ違った。

「こんばんわ、花火見ました?」
カミヤが声をかける。

俺とアラシも続く。


「これからどこか行くんですか?」


女の子達は、足を止めて、俺たちの話しを聞いていた


「もう帰ります」
女の子の1人が答えた。


「そうですか、これからどこか行きませんか?」


「いいえ、帰ります」

「そうですか、わかりました。じゃぁ気をつけて」


そう言って別れた。



しばらくして、俺は思った。

「今の、もうちょっと粘ればよかったんじゃね?」

「俺たち、いつも声かけてもシカトされたり、単語で返されてばっかだったじゃん。それに今みたいに話ししたことなかったし、女の子が足を止めることってなかったんだから、今の粘るべきだったんだよ」
俺は熱く語った。ただ粘っても結果は一緒だったかもしれないが、十分に粘る価値はあった。


「あー、確かにそうかもしれないね。ゴールをどこに設定するかだよな。俺たちいつの間にかゴールが会話をするってなってたのかもしれない。それで満足しちゃってチャンスを逃したってことか。」
アラシは納得した様子で答えた。



この教訓を次に活かそうってことで、またターゲットを探し、歩いた。