第3回、置き引きに御用心-4
私達は、また構内に戻った。
ちょうどナガレがビールを買ってもどって来たところだ。
「向こうに、寝てる女が居るぞ」ナガレが言った。
「マジっすか!?」
私達は見に行った。
マジだΣ( ̄□ ̄)!
ここは、まだ駅の構内。
周りに人は… 通路挟んだ反対に作業服のオヤジが1人
女の2メートル隣にスーツの男が1人
もしかして、コイツらも狙ってんのか?
どうする?先に声かけたもん勝ちだよな。でも、失敗したら全部見られてで恥ずかしいしなぁ…。
と迷っていると、急に女が起き出した。
しっかりとした足取りで駅から遠ざかっていく。
雨はもう止んでいる。
私とアラシは後を追った
適度に距離を詰め、私は話しかけりることに
「お姉さーん、アメちゃん舐める?」
「いえ、大丈夫です。」
「おいしいよ」
「いえ、いりません」
「帰るの?」
「はい」
会話盛り上がりません。
こんな時は、ねばっても無理なんでしょうかね?
誰か教えてください(^^;)
私は諦めました。
駅に戻る途中、お地蔵さんを発見。
少しのお賽銭を入れ、手を合わせました
「いいことありますように…」
「あーあ、酔っ払いの女の子落ちてないかなぁ?」
しかし、良いことなどなく、
駅につながる階段で落ちていたのは、ニッカポッカを履いた酔っ払いの兄ちゃんだった。
「大丈夫かい?兄さん。ほらサンダル落ちてんぞ。」
「ありがとな、優しいなぁ、あんたら」
「足怪我したのか?」
「いや、肘が痛いの」
「そうか、肘打ったのか」
「スイマセン、大丈夫です」
突然背後から言われた。
ツレらしき、イカツイ兄ちゃんは私達に丁寧に礼を言って、倒れてた男を連れて帰って行った。
ナガレさんは、また新しいビールを飲んでいた。