第13回、縁結びー7
しかし、歩けども歩けども、人が居ない。
真夏の都心部、夏の日差しとアスファルトの照り返し。
とろけそうになる身体を必死に動かして秋葉原を目指した。
Tシャツはびしょびしょ、パンツもじっとり汗が染みこんでいる。
神保町界隈に来るとやっと人がちらほら歩いている。
歩きスマホの女の子に声をかけた。
「すいません。それ、スマホ、何見てるんですか?」
「…。」
シカト。
シカトされると、気分が落ちる。
秋葉原についた。
しばらく周辺を散策した。
「外国人が多いなあ」
「特に中国人が多いですね」
メガネ女子と、帽子の2人組
「あの、すみません。暑いですね」
「…。」
シカト。
午後4時。
無駄に二駅歩いたことと、夏の暑さにやられ、俺たちの体力はもう限界だった。
何の成果もないまま帰路につく。
「やっぱ、シュレックの番号でも聞いとけば良かったですかねぇ?
かわいい友だち連れてきてもらって、合コンとか…。」
「いや、俺も考えたんだけど、やっぱ、シュレックの友達はシュレックじゃない?その友達の友達もきっとシュレックだよ」
アラシの言葉には説得力があった。