第7回、リベンジ-8
駅前には、私達のような素人ナンパ氏の2人組みがいた。
歳は20代後半~30代前半といったところだろう。
少しアルコールが入っている感じがする。
1人が2人組の女を指差し、2人でつま先から頭のてっぺんまで目でナメるように眺めたあと
「若過ぎじゃね?」
と一言。
私達と同じでなかなか動き出さない。
しばらくしたら、さっきイラン人に絡まれていた2人に話しかけていた。
「おっ、行ったねぇ。俺らもやらないとな。」
そう言って駅から飲み屋のある通りに歩いて行く。
「いないなぁ」
そうつぶやいて歩いていると、前からいい感じに酔った2人が見えた。
「アラシさん、アレいい感じですよ。行きましょう。」
大概の人は酔うと、警戒心が薄れ、陽気で社交的になるからナンパされても、無視しない。
というのが、私達の持論なので、酔ってる女性には極力、声をかけるようにしている。
青いパンツを履いた娘とロングスカートの娘。
すれ違ったあと、振り返って様子をみた。
青いパンツの娘がガードレールに腰をかけ、ロングスカートの娘が、辟易しながら、先を促す。
そこに私達が話しかけた。
「こんばんは。飲んでたの?楽しそうだね。」
アラシが笑顔で聞いた。
青いパンツの娘はガードレールに腰掛けたまま、フフフ と笑った。
ロングスカートの娘は、私達にも、友達にさえも、何も言わずに、早足で歩いていった。
「待ってよ~。」
青いパンツの娘は、慌てて友達を追いかけて行った。