30代中年おじさんのナンパのススメ

ナンパして、人生をバラ色に変えちゃおう

第15回、柏ー1

日曜日の昼。 夏の陽射しが照りつける。千葉県柏市、東の渋谷と言われるこの街が本日の戦場だ。「東の渋谷」一体誰が言ったのだろうか。ひょっとして柏を小馬鹿にして言ったのだろうか? 駅について改札をぬけると、人、人、人。 「東の渋谷」の名にふさわしく、…

第14回、北千住1人

以前にも、1人でこの街に来たことがある。地蔵になってなかなか声もかけられず、惨敗した街だ。 あれから多少なり場数を踏み、成長した。 以前の俺とは違う! 今日こそは結果を残すぞと意気込んでやってきた。平日の夜にもかかわらず、相変わらずこの街は賑…

第13回、縁結びー7

しかし、歩けども歩けども、人が居ない。 真夏の都心部、夏の日差しとアスファルトの照り返し。 とろけそうになる身体を必死に動かして秋葉原を目指した。 Tシャツはびしょびしょ、パンツもじっとり汗が染みこんでいる。 神保町界隈に来るとやっと人がちらほ…

第13回、縁結びー6

水道橋の手前で路上に設置してある地図を見ている2人組がいた。「アラシさん、あれいきましょう」 後ろ姿だけしか確認していないが、俺は話しかけた。 「こんにちは、迷子ですか?」「えっ?あー、はい…。」「どこにいくの?」そこで2人の顔をよく見た。1人は小柄…

第13回、縁結びー5

向こうから2人組の女性が歩いてくる。「俺行くわ」 とうとうアラシが動き出した。 茶パツのチビと白いワンピースの大学生風の2人組。 「あの、すみません。秋葉原はどこですか?」 「秋葉原ですか?」 最初は通り過ぎようとしていた2人だが、道を聞いてきたこと…

第13回、縁結びー4

無視され、傷心でアラシの元に帰った。「少し歩くか」俺達は、駅の方に向かって歩き始めた。 駅に行く途中に何店舗か飲食店が 入っているビルがある。 2人組の女の子がどこの店にしようか、 ビル入り口の店の写真をみて決めているようだ。 「こんにちは、なに…

第13回、縁結びー3

「それにしても暑いな」「そうですね、あそこのコンビニの中で声かける人探しますか?」「いいねぇ、コンビニ涼しいし」そうして俺達はコンビニの中の外が見える場所で外を歩く人を眺めていた。 「あのー、凄く目が合うんですけど…」「そうだな、みんなこっちみていく…

第13回、縁結びー2

人は多いのだと思う。正確に数えてはいないが、50人くらいはいるであろう。何の時期でもないのに、 こんなに人がいる神社は珍しい。 夏限定かどうかは知らないが、わらび餅とお茶のセットをわずかながらのお布施と交換で配っていた。 透き通っていてみずみず…

第13回、縁結びー1

日差しが、ジリジリと肌を灼いていく。アスファルトからの照り返しも合わせて、 体感は40°を超えている。ここは東京、飯田橋。 この街には縁結びの神様がいる。とてもご利益があるとのことで、パワースポットとしても有名だ。 困ったときの神頼みと言うよう…

第12回、足立花火ー4

「えーと、まぁ今度。」 「じゃあさ、連絡先教えよ。LINEのIDとかさ」「いや、それは…」答えに困っているようだ。 信号が青に変る。 俺はそのまま粘ろうとおもった「やめようよ。」アラシが小声で俺に言う。「そうですね。これ以上粘っても無駄ですね。」無視じゃなく…

第12回、足立花火ー3

「あやしい人じゃないからね。 その浴衣かわいい柄だね、うちのばあちゃんが同じようなの着てたよ」俺はアラシが調べたという、上げて落とす技を早速使ってみた。「あはは、そうですか。」ちょっとだけウケた。「あれ?お姉さん、その指どうしたの?」二人組のうち…

第12回、足立花火ー2

「なぁハヤオ、ナンパ師のブログとか見て勉強したんだけどさ、褒めた後ちょっと落とすと良いらしいよ」 前の人について歩きながらアラシは言った。「ん?褒めて落とすってどうゆうこと?」 「例えば、フリルの付いた服を着てたとするじゃん。 そしたら、 『そのフ…

第12回、足立花火ー1

初夏の訪れ、夏の風物詩。東京23区で1番早い花火大会はどこの花火でしょう? 正解は足立の花火大会である。 今日の戦場はここ。 まずは、花火を楽しみその後でナンパする作戦だ。 夜空を彩る鮮やかな大輪の花。 体に響く太い音も消え、足早にその場を後にし…

第11回、小岩駅-6

俺は思い切って聞いてみた 「話しかけないで貰えます?疲れてるんで」 口を開いたかと思ったら、嫌悪感をあらわにした態度で答えた。 きつい事をいうなぁ。 これにはさすがにヘコんだ。 続いてアラシは上下白の清楚系の女に的を絞った。少し後を追いかける。…

第11回、小岩駅-5

アラシが指さす。 「あの二人いこうよ」 二人組に 声をかける。 「これ落としませんでした?」 俺は手に持っていた求人情報紙を見せながら話し掛けた。 「違います!!」 キッパリとした口調にひるんで、その後の言葉は出てな来なかった 駅に戻り、次にアラシ…

第11回、小岩駅-4

アラシが声かけたのなら、俺もやらないわけにはいかない!! 目の前を、25歳くらいの女が通り過ぎていく。 「アラシさん、俺、あの子行きます!!」 そう言って小走りで近づき声をかけた。 「あのー、すいません。」 「…。」 こちらを見ることもなく、そのまま目…

第11回、小岩駅-3

女性は足を止め、アラシと親しげに話し始めた。 二人はしばらく談笑し、アラシは飲みに誘った。 「これからどこか飲みに行きません?」 「ママの店なら行くけど、他の店じゃ嫌」 そう言われると、アラシの方が少し引いてしまい、 キャバクラやスナックのよう…

第11回、小岩駅-2

夜10時頃。駅の階段を降りてきた千鳥足の女がいた。 歳のころは40をとうに超え、50はいってるんではなかろうか。紺色のワンピースのドレス。首もとは大きめのネックレスを付けていた。 何かのパーティーの帰りでお酒を飲んでいる感じだった。「アラシさん、…

第11回、小岩駅-1

この日は、小岩駅にいた。相変わらず、バンゲも出来ないまま。それでも諦めない俺たち。 結果だけ見れば、女の子の知り合いが増えたわけじゃないし、ナンパする前と、何も状況は変わっていない。しかし、人は少しずつでも成長していくものである。 最初の頃…

第10回、職務質問ー8

俺は終電を逃してもバイクで帰れるが、アラシを乗せて帰るのは不可能だ。終電を逃したらアラシは帰れない。「ねぇお兄さん、名前を教えるか、カバンの中を見せるか、どっちかお願いしますよ」口調は丁寧だが、目は威圧的だ。 「わかった、アラシを家まで送っ…

第10回、職務質問ー7

「何聞かれた?」 「名前と、住所と生年月日。ハヤオのことも聞かれたけど、それには答えなかったよ。 何で言わないのか解んないけどさぁ、言いたくないなら言わなくてもいいよ。」 アラシはそう言って、俺を後押ししてくれた。 「別に、やましい物も持って…

第10回、職務質問ー6

あぁ、これ職務質問だな。 職務質問ってのは、任意だから拒否できるって聞いたことがある。「無理です」 俺は毅然と答えた。 「じゃあさぁ、鞄の中見せてくれる?」 「はぁ?なんで? これ、任意ですよね?」 俺は聞きかじった知識で反論した。 「えぇ、だか…

第10回、職務質問ー5

「今何やってたの?お酒呑んでた?」 40代の警察官は親しげを装い俺達に聞いてきた。「いや酒は飲んでないんだけどちょっと遊んでた 」「何して?」その質問に正直に答えるのは、あまりに恥ずかしすぎた。 いい歳こいたオッサンが2人、わざわざナンパするた…

第10回、職務質問ー4

俺たちは、駅から出てきて信号を待っている人を見て、 誰に声をかけるか吟味していた。 「俺、あの娘いきます。」 「どれ?」 「帽子被って、リュック背負ってる女の子」信号が赤から青に変わり、みんなこっちに向かって歩いてくる。 「すいません」 ビクッ…

第10回、職務質問ー3

「よし、パトロールしますか」 俺たちは街を歩いた。2人組みがいた。俺たちは後を追いかけ、声をかけようとした。 すると突然のUターン、俺たちとすれ違う形になってしまった。突然のことで、声もかけれず、普通にすれ違った。 またしばらくすると、二人組…

第10回、職務質問ー2

エンジンがかかり、俺たちはバイクにまたがった。 出発しようとギアを1速に入れ、ゆっくりとクラッチを放しながらアクセルを開けた …スン。 また、止まった。 今度はヒューズは切れていなそうなので、またセルを回し、エンジンをかけた。キュルルル、ヴォン…

第10回、職務質問ー1

秋の深まってきた頃。俺たちは、前回決めた通りあの町へ向かった。 今回はバイク移動だ。俺はアラシを迎えに行った先に着いて待っているとアラシがやって来た。 「お待たせ」 「んじゃ、行きますか」俺はアラシを後ろに乗せ、バイクを走らせた。夜を切って走…

第9回、北千住-4

「よし、上野駅に行こう。」 上野駅。そこは都内屈指の繁華街。 動物園もあれば、犬を連れた太っちょのオッサンの銅像もある大きな街。 俺たちはそこに移動した。 「人は多いなぁ」 俺は呟く。 「でも、あんまり2人組はいないよ」 あくまで、2人にこだわる…

第9回、北千住-3

目の前をカワイイ女が通った。 アラシは、動く気配がないので、また俺ひとりで行くつもりだ。 ここは人目が気になるから、少し後をつけて、いい感じの場所で声をかける。 「こんばんわ、さっき駅前にいましたよね?」 「いいえ、居ません」その女性は即答し…

第9回、北千住-2

「ひとりで声かけれる?」 アラシに聞いた。 「2人で声かけたいんだよねぇ、女1人に2人で声かけたらダメ?」 「ダメでしょ!絶対警戒してついてこないよ。」 相変わらず、アラシは腰が重いようだ。 俺は、このままじゃいけないと自分を奮い立たせ、目の前…