残暑の残る秋の頃。俺とアラシは、北千住駅にやってきた。 時間は夜の8時。相も変わらず、人は多い。アンケートお願いします、と言って声をかけまくっている人達は、その日も精力的に活動していた。 駅前の広場では、駆け出しの路上パフォーマーが人を集め…
「今日何回か声かけて、一番手応え感じたのどれ?」 俺は聞いてみた。 「うーん、やっぱ浴衣着てキャリーバック引っ張ってた3人組かなぁ」 「あー、そうだよね。今まで足止めて話せたことないもんね。」 「あれをもっと粘ればよかったのかも。」 アラシはし…
俺たちは西口に移動した。 二人組の女性を見かけた。ひとりは水色の浴衣を着ていて、もうひとりは、浴衣ではなく、黒い服を着ていた。 もう時間も遅いし、これで最後にしようと、カミヤとアラシが行った。 「こんばんわ、花火見ました?」 カミヤが声をかけ…
あの 「助けてー」と叫ばれてから時間も大分経過した。 俺たちは また東口に向かった。 街灯がまばらな薄暗い通り。ガードレールに腰掛けた20代後半の2人がいる。ひとりは可愛いが、もう一人はブサイク。 例えるなら、オアシズの大久保さんを少し崩した感じ…
結局、男たちも追いかけてこなかったので、余計なトラブルにもならず、俺たちはホッと胸をなで下ろした。 そのまま反対側の西口を目指した。 人気のなくなった街を歩く。 夏を感じる蒸し暑さが 体にまとわりついてくる。 セブンイレブンの前でぽっちゃりした…
今度は駅の東口に行った。 もう花火が終わってからだいぶ時間がたっている。 人もまばらになった。 浴衣を着た20歳前後の女の子2人。 二人とも大きなぬいぐるみを両手で抱えていた。ゲームセンターにでも寄って来たんだろうか? 俺とカミヤが声をかける。ア…
駅前に居ても、改札に向かって帰る人しか見当たらない。 ここにいても、何も起こらないだろう。 そこで俺たちは、また歩きながら捜すことにした。 西口周辺を捜すと 3人組の女の子がいた。 女性にしては大柄な170㎝ぐらいのワンピースを着た女の子。 小柄で…
俺たちは、歩くのも疲れたし、駅前で座って、話しでもしながらターゲットを物色しようということになった。 「なぁ、アラシさん、R25ってフリーペーパーあるじゃん、そこに載ってたんだけど、一度『YES』って言わせるとナンパの成功率が上がるんだって」 …
しばらく歩くとファミレスがあった。 その駐車場の入り口の花壇に腰をかけてパピコを食っていた2人組のギャルがいた。 「ちょっとギャルっぽいのに声かけるの抵抗があるなぁ」 アラシは眉をしかめながら言った。 「じゃ俺いきますよ」 カミヤは威勢良くそう…
俺たちは、浴衣を着てキャリーバッグを引いた3人組とすれ違った。 「こんばんわ、花火見ました?」 カミヤが声をかける。 俺とアラシも続く。 「これからどこか行くんですか?」 女の子達は、足を止めて、俺たちの話しを聞いていた 「もう帰ります」 女の子…
そして俺たち3人は駅の反対側、西口に向かった。 西口も花火帰りの人で溢れていた あまりに人が多すぎて、俺たちはナンパするのに難色をしめした。 「少し歩いてみるか。」 アラシそう言うと、駅を背に左に歩いていく。 セブンイレブンが角にある交差点、反…
「なんて声かけよーかなー」 カミヤはそんなことを言いながら俺らと談笑する。 わりとリラックスしてきたみたいだ。 浴衣を着た二人組に声をかける。 「あのー、僕、暗いところ怖いんで、一緒に帰ってもらっていいですか?」 カミヤは、怯えた子羊のように話…
「じゃあ、3人でジャンケンして、負けた奴が1人で声かけよう。これ強制だからな」 「最初はグー、ジャンケンポイ!」 結果は俺の負け。 「しょうがねぇなぁ、一発目行くか。」 そう言って ターゲットを物色した。 目の前を二人組が通り過ぎた。 「アレ行っ…
仕事が終わり、花火会場に着いてみると、花火はもう終わっていた。 花火は見れなかったが、そんなことは俺たちには、どうでもいいことだった。 夜はまだ、これからだ。 3人は帰路につく人の波に逆らって行った。 「すごい人だなぁ」 アラシが言った。 「こ…
まだ8月のころの話し。 祭りの後や、花火大会の後は、 テンションが上がって ナンパの成功率が上がるのでは? とは以前のブログに書いたことだ。 そして今回も花火大会の後を狙って行ってきた。 今回のメンバーは、私と、いつもおなじみのアラシさん、それ…
私達は顔を見合わせ、唖然とした表情で話しをした。 「驚いたな」 アラシがつぶやく。 「えぇ、友達にも何も言わずに去っていったよ。そうゆうもんなんですか?」 「あれは、友達より、自分が大事で、いざとなったら、友達を犠牲にしても自分だけは助かろう…
駅前には、私達のような素人ナンパ氏の2人組みがいた。 歳は20代後半~30代前半といったところだろう。 少しアルコールが入っている感じがする。 1人が2人組の女を指差し、2人でつま先から頭のてっぺんまで目でナメるように眺めたあと 「若過ぎじゃね?…
そしてまたアラシと駅前でターゲットを探していると、外国人の2人組が楽しそうに、はしゃいでいた。 「オネエサン、飲ミニ行コウヨ。」 イラン人っぽい男が、歩いている女性に、そう言ったのが聞こえてきた。 もちろんシカトされている。 しかしメゲないイ…
「アラシさん、行ってきましたよ。思った通りいい人でした(笑)」 「えっ!?行ってたの?」 驚いた様子で言った。 「アンケートとってる人達を調べてるって言ったら、探偵だと思ったみたいで、悪い人達だったら捕まえて、、って言われましたよ。」 「俺から見…
「えーと、基本的には質問に4択で答える感じで、あと職業、家族構成、年齢、を聞かれました。」 「そうですか。職業って学生じゃないんですか?」 「いいえ、働いてます。そして、言葉がたくさん書いてある中から、興味のあるものを選ばされて、一番大切だ…
女の子はアンケートの人から解放されたようだ。 女の子は改札に向かうエスカレーターに乗っていた、 急いで後を追いかけ、声をかけた。 あの、すいません今アンケートに答えてましたよね。少し聞きたいことがあるんで、少しだけいいですか?」 「はぁ、何で…
飲み屋街から少し離れた道にも、客引きが立っていた。 男1人、女2人。 「どおですか?今なら無料体験やってますよー」 俺は客引きの目の前を通り過ぎると、アラシに言った。 「無料体験ですって、ちょっと行ってみます?」 「そうだね、ちょっと話し聞いて…
駅前の広場で、どの娘に声をかけようかと、アラシと話しながら目の前を通り過ぎる女の子を眺めていた。 今日は、ストリートミュージシャンは居なく、ただ人の歩く音、街の喧騒が周囲を包んでいる。 「あの二人組に行ってみようか」 アラシが言った。 どちら…
前回は1人でナンパにチャレンジしたが、不甲斐ない結果に終わってしまった。 そのことで、少しはあった自信は崩れ去ってしまったのだ。 だが、今回は 相方のアラシも一緒である。 駅は、前回同様KS駅。 相変わらず、人は多い。 「ホントだ、結構人いるね…
そして、俺は駅に戻った。 1人に声をかけはしたが、勢いはつかず相変わらずの地蔵状態。 地蔵とは、ナンパしようと思ってはいるが、声をかけることが出来ず、地蔵のように固まっている状態である。 地蔵になるには、「どうせ声をかけてもダメだ」、「シカト…
「大丈夫ですか?」 「…」 返事がない。彼女は目をつぶっていて、俺に気づいていないようだ。 意を決してもう一度聞いてみた。 「あのー、大丈夫ですか?」 「…。」 相変わらず、目をつぶっている。さっきより大きな声で話しかけたので、聞こえていないはず…
駅前には、フラフラと歩いてるいる女の子、その女の子を支えるように友達らしき女の子がいた。 酔っている人ならシカトされることも少ないから声がかけやすい。だが、2人組に声をかける勇気がない 1人ずつバラけたところで声をかけよう。 しかし、2人は駅…
別の場所ではチェロを弾いている 外国人がいた。 その周りに数人の人だかり。皆それぞれに聞き入っている。 俺はそこから少し離れた場所で壁に寄りかかりながら、目の前通り過ぎる人を眺めていた。 何もしないまま3時間がたとうとしている。 しばらくしたら…
別の場所ではチェロを弾いている 外国人がいた。 その周りに数人の人だかり。皆それぞれに聞き入っている。 俺はそこから少し離れた場所で壁に寄りかかりながら、目の前通り過ぎる人を眺めていた。 何もしないまま3時間がたとうとしている。 しばらくしたら…
アラシと2人の時はすんなり声をかけることが出来るのに、1人だと何もできないのか…。 今までのナンパでは、アラシより、俺の方が積極的に声をかけている。 2人で声をかけるときも、アラシより、俺が積極的に話しかけていた。 アラシは俺がいないとナンパ…