第5回、花火大会の日-2
最寄りの駅を通りすぎる。
「けっこう居るねえ」
アラシは言った。
「でしょ、でしょ。花火見て、テンション上がって帰りたく無いのが、いっぱい居るんだって」(^^)
アラシを待っている間に缶ビールを一本空けた。
軽く酔った俺は、テンションが上がってウキウキしている。
さすがに自宅に近い駅ではちょっと出来ないので、自転車で1つ離れた駅に行くことにした。
人こそ少しまばらにはなっていたものの、まだまだ花火帰りと思われる人達がいた。
俺達は自転車を止め、駅の周辺を歩いてみた。
あの二人いいなぁ。
よし、行くか。
と思った矢先。
二人組の女性はタクシーに乗り込んだ。
あそこにも二人組 。
声をかける前に駅の階段を登って行ってしまった。
あの二人。アラシが指を指す。
よし。
俺達は彼女達の後を追いかけた。
彼女達は地下の駐輪場に入って行った。
「地下駐輪場?」
「どうする?」
俺は聞いた。
「うーん、やめるか。」アラシは苦い顔をして言った
また立ち止まって、探していると、さっき駅の階段を登って行った2人組の片割れが、目の前を通り過ぎていった。。
「さっきの2人組だ」俺は言った
「だね、友達だけ帰ったのかな?」
「めっちゃタイプなんだよね、行っていい?」
「いいよ、行ってきな」
アラシは快く送り出してくれた。